
相模原といえば尾根幹の終点、一歩入れば坂だらけ、神奈川の最果て、輪たろうさんの庭、など色々とイメージが湧きますが、実のところ行った事が無い未知のエリアでした。梅雨予報が外れてピーカンの6月半ばにそちらの方へ行くライドにお誘いいただき、念願の(?)相模原を走ることに。
そのライドの名は・・・
「ハイブリッド林道ライド」※命名:トミィさん
当初の予定では、139.4km 2190upのルート。集合場所が武蔵境駅なので、自宅からの自走距離を加えると160kmを超えることがほぼ確定。これは私の1日で走行した距離としては最長になるうえ、今回の主催者はトミィさん、あの根性坂をコッソリルートに入れて我々を殺害しようとした林道マイスターのトミィさんなので油断できません。今回は登れない勢として私とぼんさんが参加。へるはうんどさんが幽霊部員的なノリで加わっていました。


(↑今回のライドの高低グラフ)
まったく土地勘のないところでは事前に引いてもらったルートや高低差を見ても正直イメージが湧きません。出発前に確認したときも、標高500mまでしか上がらないから楽だとか、今話題の厳道峠が無いから大丈夫だとかそんな甘い考えでいました。強いて言うなら、ギザギザ多すぎるけどルートラボの誤差かな?程度でした。
そんな感じで、トミィさんが集合時間や場所について連絡をしていると・・・

・・・・・・





そんなこんなで当日、田無駅前で迷子になりつつ自走で集合場所まで向かいます。空は予報通りのいい天気、最高気温は29度になる見込み。ぶっ掛け不可避なので輪行袋を自宅に放り投げてダブルボトル体制で臨みます。
参加者はトミィさん、ぼんさん、みもりさん、私れーやんに、歯医者峠を越えて来れることになったへるはうんどさん、そして何故か絶景マイスターのHAOさんも参戦、ゆっけさんも来る予定だったのですが体調不良でDNSとなりました。みもりさんがパンパティから合流なのでひとまず居るメンバーで出発します。




おや?へるはうんどさんの様子が・・・


多摩川を越えて目の前に現れたのは連光寺坂。この辺りでは有名なヒルクラスポットで斜度は5%ないくらいですが距離が長い!約2.5km延々登らされます。
こういうダラダラ系の坂は得意ではないのであっという間にインナーロー、目の前にはぼんさんとへるはうんどさんしか居ません。トミィさんは遥か彼方、暫く併走してくれたHAOさんも我々を見捨てて視界から消えていきました。「片側2車線の広い道路なのに、なぜトミィさんはわざわざ歩道に行ったんだろう?」と最初は思いましたが正解でした。こんな遅い3人が車道を走ってたら迷惑極まりないのでwww

やっぱりこの坂の頂上にはゴルフ場がありました(さっきの写真のトンネルは玉避けネット)。トミィさんはゴルフ場とゴルフ場を繋ぐ達人。ここ通る必要あったの?他に道あったんじゃないの??ねぇ???
(Google Earthで多摩川CRを眺めながら



せっかく登った連光寺坂を反対側へ下って野猿街道に入ります。昔大学時代にらーめん二郎を始めて野猿で食べて半泣きになり動けなくなって以来縁のない道です。かつて大学のサークルでキャッキャしていた百草テニスガーデンはまさにあの百草園の裏側。意外とこの辺りは昔遊んでいたようで色々と思い出します。いまの嬉々として激坂を上る私を学生時代の私が見たらどんな顔をするでしょうね。


尾根幹と比べて野猿街道の方がアップダウンが少ないということですがルートラボを見てみると、ダラダラ少しずつ上昇する立派なヒルクラロード。常時登り基調でスピードが全く上がらず、信号待ちでトミィさんたちに何とか追いつく回数が増えてきます。


暑さもあいまってペースが上がらないのでアイスを食べて心を落ち着かせます。




林道マイスターのトミィさんが序盤から明らかに無駄な傾斜を差し込んで我々の脚を削りにきます。「ほら、あっち通れば坂ゆるいじゃん!」に対して「いや、あっちは交通量が多いからさー」と笑顔で『もっと足を使え』と無言の圧力をかけてきますが、そんな圧力に我々(ぼんさん、へるはんどさん、わたし)は動じません。全力で足を使わずにゆるゆると謎の坂を攻略していきます。



なんとかパンパティまで到着。毎週火曜日に輪たろうさんのカレーパンテロツイートを拝見していたせいか勝手に近場だと勘違いしていましたが、ここまで自宅からなんと50km、回れ右して帰っても立派なグルメポタとしてピリオドが打てそうですが、まだ林道ライドは始まってすらいません。





カレーパンが無かったのでウィンナーパンとマンハッタンというパンを摂取。焼きたてフワフワでどれも美味しい。10円募金でカルピスももらってエネルギーを補給します。我々が到着したのは10時過ぎでしたがすでにお客さんでいっぱい。テラス席もテントの日陰があるテーブルは満席で、クソ暑い直射日光の元でパンを頬張ります。










そうそう、ここで人外枠筆頭と名高い「みもりさん」と合流。予想通り細身のスタイルで如何にも登れそうな様子。「ぼく貧脚です」と一言でも言ったら張り倒し兼ねないほど羨ましい体型で死にたくなります(^ω^)この後は山奥の蕎麦屋に向かうとのことでラストコンビニ発動、水と補給食を詰め込んで出発します。



いよいよ林道ライドがスタートすると思いきや、いきなり下り始めて相模川を渡ります。これから山を登るのに下るということは下った分だけ登らなければなりません。のでいきなり心を軽く折られます。



相模川を渡ると登りと下りが入り混じるアップダウン区間に突入。登りでインナーに入れた途端まさかのチェーン落ち(なおこの後7回チェーン落ちしました。完全にゆっけさんの呪いです)。みんなに置いていかれますが決して焦りません。早く追いつこうとペースを上げたら、エネルギー切れで帰宅困難になりかねないので自分のペースでゆるゆる登ります。しばらく単独走しているとみんなの姿が。





みもりさんはさておき、ぼんさんもすっかりサカスキーになってしまったなぁ(^ω^)って、トミィさんがさらっと激坂を匂わせてるんですがそれは・・・
みもりさんは余裕でクリア。ぼんさんは珍しく中腹で敗退していました。

脚力的問題ではなく胃袋的な問題のようです。みなさんも補給直後の激坂には気をつけましょうね。輪たろう坂に別れを告げてトミィさんがチラッと言っていた隣の坂へ向かいます。このあたりからさっきまでの高規格道路とはうって変わって緑豊かでのどかな田舎っぽい雰囲気になります。







瞬間的に20%を超えるような激坂エリア。当然舗装はコンクリートに。裏山のこんな坂を毎日自転車で通学しようものなら、その学生たちは凄まじい豪脚に成長するんだろうなぁ。突然の激坂出現に動揺しますが、今日のメンバーは問題なく登っていきます。わたしはダラダラ最後尾なんですけどね。



激坂登って間髪入れずにまた登り始めるのを繰り返します。今日のライドはエンドレスヒルクライムなんじゃないかと、あの高低グラフを思い出し悟り始めます。緑あふれる里山的な景観が楽しめるので立ち止まっては写真を撮り、ゆるゆると進みます。








いよいよ山深くなってくると当たり前のように現れるコンクリート区間。斜度15%くらいはある坂がフランクに「こんにちは」してきます。ぼんさんまで先に行ってしまい置いてきぼりをくらう展開ですが、ここでも決して追いつこうとペースを上げない鋼の精神力が試されます。


トトロの家に通じる道かな?


トミィさんの林道ライドは走っているうちに自分の現在位置が分らなくなるのがもはやお決まり。気づくと突然開けだ道路に出ました。相模湖プレジャーフォレスト、何度か遊びに行ったことがある場所なのでようやく安心。この辺はクルマで何度か走ったことがあるのでもうダイジョウブのはず・・・





このあたりでひとつ発見をしました。下りで出した勢いのまま登りで重たいギアを踏むと短い距離ならグイグイ登っていけることに気づいたのです。距離の長い峠では通用しないでしょうが、この後走る尾根幹のようなアップダウンコースでは役に立つかもしれません。




幹線道路とは完全に隔絶され、間近に緑が迫る美しい光景、そして終わらないヒルクラわんこそば。これをへるはうんどさんが裏相模原と名づけます。なるほど、裏尾根幹的なノリですね!(このときは裏も表も尾根幹未体験)

この日の最高気温は29度と高め。熱を持った体を冷やすためにダブルボトルにして大正解でした。ところどころ休憩箇所で「へるはうんど氏」と「れーやん氏」の水かけ跡がマーキングのように刻まれていきます。暑い中坂を登っていると体温が上昇してしまうのでボトルをかけざるを得ません。頭を中心に肩や太ももなどにかけて体温を調節します。





途中でトミィさんが「トンネルを通らずに旧道を登らせる」という悪魔の所業で我々の足を削りにきますが、お腹がすいてきてだんだんどうでもよくなり気づいたら言いなりに。








途中通行止めがあったりと何処を走ってるのか完全に迷子状態ですが、トミィさんの適切な案内で気づいたら本日の食事処「あき山」さんに到着。こんな山の上にそばや作るなや!

HAO@豚に真珠@HAO_Tokyo
Ra ☆ Ra ☆ Ra ☆Ra ☆ Rapha〜 https://t.co/akYYJnIDnN
2016/06/11 14:18:49




王道の天ざるそばを注文。さて、気になる味は・・・、激坂のせいで記憶が飛んでしまったので覚えていません。大変美味だったという記憶だけ書き記しておきます(きっと、ぼんさんかへるはうんどさんがレポートしてくれると思うのでw)
「あき山」











一応コンクリート舗装のようですが枝やら葉っぱやらが堆積しすぎてどうみてもただのグラベルです本当にありがとうございました。そしてスタート時盛大にチェーン落ちしました。


ぼんさんはタイヤをこっそりグラベルキングに履き替えていて、こんなガレた道でも安定した走りです。タイヤ径が太くなって直進安定性が増したようですがコーナリングでの不快感はないようです。いいなーグラキン。23CのコンチネンタルGP4000s2を履いている私はおっかなびっくりの超低速でこの荒れた道を進みます。こんなところでパンクしたら泣いちゃう。

湧き水シャワーを浴びる教祖様




このライド後の話になりますが、このあたりは道志みちと山を隔てて併走する裏道なのですが熊が出たらしいのです。そりゃ出るよねって感じの山奥でございます。そして斜度も中々容赦なく、10%前後をウロウロ。


そんな山奥にチーム右京の宿舎?がありました。さぞヒルクライムの練習に最適でしょうが、一向は林間学校の宿舎みたいとテンション高め。インナーロー教団合宿とかできるんじゃないかな?


流し撮りで遊んだり(Q:誰でしょう?)

やっと道志みちまで降りてきました。「やっと見知った幹線道路だやったぁ!」と思いきやまたまた裏道へ。道志みちは交通量が多いので敢えて旧道へルートを引くトミィさんカックイイ!!(あれ、旧道ってことはもしかして・・・



早速旧道では20%を超えそうな激坂がこんにちは。今日初めて後輪が空転スリップするほどの険しい坂で、一瞬で終わりますが体感が疲労してきた中盤以降に出現すると困ります。しかし歴戦を潜り抜けた戦士たちはいとも容易く道志の激坂を越えていきます。

↑本日の主催者兼林道マイスター(鬼)ことトミィさん。skyジャージとオシャレなソックスが目を引きます。私もソックスでワンポイントオシャレしたいなぁとファッションチェックしながら巡航。


道志みち(本道)に出たら城山ダムまで下り基調なので一気に飛ばします。途中「半原越え」がどうこうといった声が聞こえてきましたが、「いいんじゃね?」ということでルート通り進みます。半原越えとはいったい!?
この先は尾根幹自走という(たぶん)苦行が待っているので、エネルギー補給のため「町田あいす工房ラッテ」に寄ります。輪たろうさんがTwitterで紹介しているので是非とも行ってみたいところ。プラっと気軽に寄れる相模原スイーツとして紹介できそうです。






人はなぜアイスを食べるために坂を登るのか。もちろんトミィさんが引いた極悪ルートなので「きっとどこかに楽に行ける道があるはず」ですが、スイーツを目の前に思わぬ伏兵が待ち構えているとは・・・最後に油断しましたが恐ろしい町です。相模原のラルプデュエズ恐るべし


ラッテではミルクジェラートを美味しく頂きました。比較するのは難しいですが、榎本牧場のジェラートよりも濃厚な感じです。それでもWANのクレミア(ラングドシャ)には適わないかな?もはや好みの問題ではありますがね。
HAOさん・ぼんさん・みもりさんはここで解散。トミィさん、へるさん、わたしの3人は尾根幹を通って都内まで自走で帰ります。3人とも住んでる場所が比較的近いので途中まで走って都内で各々離脱という流れです。

流し撮りの極意を学びましたが、トミィさんが見事にフレームイン!



尾根緑道を走るころには日が傾いていい感じの夕焼けに。コントラストが綺麗だったので何枚かパシャパシャ。ホワイトバランスや露出補正を弄っていい感じの色が出たような気がするので、今後はドラマティックな構図で切り取る練習をしたところです。

そして初尾根幹の感想ですが・・・
「単独orトレーニングで走るとキツそう」
今回はトミィさんの後ろに隠れていたこともあり緩やかなアップダウンを楽しめましたが、ストイックに単独走をすると往路だけで脚が売り切れしかねないハイスピードコース。矢野口側から走るとバーミヤン坂というそこそこ長い坂が結構きついそうなので、機会があればまた来てみたいです。また、ここでは夜な夜な尾根幹夜練という恐ろしい速さの豪脚たちが凌ぎを削ってトレーニングしているそうな。こわいこわい


そしてアイスを食べてで復活したへるはうんどさんが尾根幹の鬼と化して発射。やっぱり平地早いなぁ~ペダリングも安定しているし見習わないと。
相模原では目立った標高の山や峠を目指した訳ではないのに、「ただ移動するだけで獲得標高がおかしな事になる」とはよく聞く話。ここを登ろう!と気張って2000upの飯能地区と比べるとかなりハードで、松姫峠などの目的地をルートに加えるとさらに鬼のルートになるに違いありません。近所にはあの和田峠やラピュタ坂があり、相模原ライドへの興味は尽きません。



(撮影:ぼんさん)